2009年11月24日火曜日

何でもバランスらしい。


僕は"g"スケートパークのハーフパイプスクールでは基本的に「一般クラス」を担当しています。
大人の方に指導する場合、カラダを動かす前にまず頭で理解してもらう為の"説明"が必要となり、その指導方法が僕の滑りに合ってるからだ。僕は生まれもっての不器用のせいで、まず頭でしっかりと理解してイメージできなければカラダが動いてくれない。小さい頃はそのせいで苦労することも多かったけれど、最近ではその苦労がスクールで役に立っている。

だけど「大人」といっても、やはり人それぞれで。
自前にしっかりとした説明を必要とする方もいれば、とにかく挑戦!という方もいる。スクールでは一人一人の性格やスタイルに合わせた指導をできるように努力はしています。そういうことを気にしていると僕が学ぶことも多い。


しかし、リクエストされれば「プライベートレッスン」で児童の指導もしています。
児童は大人に比べるととても感覚的で、とにかく見本を披露して「はい、真似して」で出来てしまう子が多い。まさに子供の可能性は無限なのだ。親に変わって可能性を引き出し自信をつけさせる、それが児童を教える時に大切にしたいことの1つと考えます。

それでもやっぱり子供自身が努力して乗り越えなければならない壁が出てくる。
壁のくるタイミングは一人一人違うけれど、特に基本動作を経てちょっとしたトリック(技)に挑戦するようになるといくつかの壁にぶつかりはじめる。やりたいことが出来ずに苦労し、勇気が出ずに悔しくて泣いてしまったり…、数週間または数ヶ月も時間をかけて1つのことに挑み続けるのだ。いくら親に頼んだって解決しないことくらい子供もちゃんと知っていて、その全てを乗り越えられた時の喜びはその子にとってとても大きな成長であると思う。


信じられないような物騒な事件が日本でも溢れている…。
ここ数年で日本も急激に変わってしまった。親の立場になって考えてみると、外に子供達だけで遊びに行かせることすら怖い世の中だ、ゲーム機でも買い与えて家で遊ばせているほうがよっぽど安心だろう…。その気持ちは理解できる。納得もできる。だけど、やっぱり子供は悔しさや努力の先にある喜びや達成感をスポーツや遊びを通じて学んでおくべきだと感じる。。

僕は"g"スケートパークだけでなく岐阜や東京でも子供にスケートを教える機会がある。
集中力のない子・しんどいことから逃げたい子・すぐに諦めてしまう子…、もちろん色々な子供がいてるけれどスケートを通じて堂々としていく姿は心強い。何か1つでも壁を乗り越えた子はどんどん自信を持って強くなる。楽しさを知った子供の成長は早くて驚かされる程だ。たとえそれがインラインスケートではなかったとしても、きっとその経験は子供達の未来を明るくしてくれるものである。


ところが、壁を乗り越えることに必要なのは子供の努力だけではない。
両親の理解と応援も必要不可欠なんだと最近特に思う。子供が弱音を吐いた時に背中を押してあげることができるかどうか。それをする為には両親も子供の問題をしっかりと理解できている必要があるから、決して簡単なことではない。的外れなことは言えない。スクール中、受講中の子供に関心の無い両親も多い…。「先生に任せたから」という考えなのだろうけれど、スクール以外での練習で成長することは難しくなってくる。そういう場合は、レッスンの最後に両親にも練習ポイントを伝えるようにしているけれど、それだけで理解できることではない。。

そして、その反対も言えると思う。
両親があまりに厳しく口を出しすぎると、子供はのびのびできないし、なにより自分自身でイメージすることをやめてしまう…。親の言う通りに…、言われた通りに…、という考えに切り替わり、例えそれで成長できたとしてもそれは子供の成長とは言えない。「あれをしてみよう、これをしてみよう」と考える楽しみや強さが身に付かず、次の親からの指示を待つようになる。ブロック遊びをしている横で両親が指示を出しているように見えて子供をかわいそうに思う…。。

そこのところのバランスは難しいらしい…。
3月には僕も親になります。父親として、どうなる俺?それはもう不安。

僕は今までインラインスケートしかやってこなかったから、スケートを通じて学んだことがほとんどで。世間知らずというか、常識知らずというか…。だから、唯一胸を張って教えてあげられるインラインスケートは親として教えてあげたいと思う。バランス良く。。

2 件のコメント:

  1. インラインスケートは、乗り越える壁がハッキリしていてすごくいいと思います。
    やっと垂直の壁を登れるようになった!
    ドロップインできた!グラインドができた!
    エアーがでた!技が乗った!

    なんとなくうまくなったんちゃう?ではなく、
    完全に出来た、出来ない。がハッキリと。誰が見ても。

    そして次々と立ち向かってくる終わりなき本当の壁の数々。
    次の目標、次の目標って。
    それに、出来てた事が出来なくなったり、突然怖くなったり。
    それをまた乗り越えて。

    大人も同じく、
    空中の数センチの壁と格闘中。。。

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  2. たとえスケートでなくなっても、一生自分を磨き続ける生き方をしたいものです。人間、年を重ねるごとにどうも成長を自ら止めてしまう傾向にあるようですし。

    ところが、"g"スケートパークで日々壁にぶつかるのことを楽しみながら頑張っている方々は大人も本当にキラキラ(中にはギラギラも?笑)してる方ばかりで、勇気をいただいております。俺もそうであり続けたいと思います。

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