2012年7月8日日曜日

おばあちゃん、94歳。



7月7日の早朝に僕のおばあちゃんが亡くなりました。94歳でした。

2ヶ月程前から入院をしていたおばあちゃんに会いにいったのは、コペンハーゲンへ出発する前日。妻と息子の3人で入院先の病院へ行きました。

最近では眠っていることが多くなっていましたが、この時は息子(ひ孫)が来ていることに笑顔と涙で応えてくれました。「明日から遠征に行ってきます。今回はすぐに帰るから」と伝えておいたので、6日の僕の帰国を待ってくれていたのかもしれません。

父方のおばあちゃんです。癌でした。
とても長生きです。父にも親孝行ができる時間がゆっくりとあったこと、ひ孫の顔を見せてあげられたこと、孫である我々兄弟が活躍できるようになるまで生きてくれていたこと、本当に良かったと思っています。


僕が小学生高学年の頃。
休みなく毎日続くスケートの練習が嫌で仕方のなかった僕は、おばあちゃんが家に泊まりに来た時には必ず"風邪"をひきました。ホットカーペットの間に体温計を突っ込み、異常な程の高熱を出したこともあったっけ…(笑)。そんな時でも僕に代わって父に電話を掛け、「エイトは休ませる」と伝えてくれました(僕が電話すると「だけど、とりあえずおいで」となったのでね…)。

そんなバカな孫が、まさか「海外遠征で忙しい」などと言い出すような立場になるなんてね、あの時のおばあちゃんには全く想像もできなかったでしょう…。ずっと喜んでくれていたはずです。今の僕のこの生き方は、僕にとっても、僕のご先祖様にとっても、それぞれが下した選択の末に生まれた大きな奇跡のようなものですから。

広島で戦争を経験したおばあちゃんにとって、悲しい事も嬉しい事も他人のことも身内のことも、全てはものすごいスピードで変化したのではないかと想像します。この僕の人生ですら既に想像以上の変化がたくさん起きているのですから、きっとそうでしょう。その全ての世界を見てきたおばあちゃんは、笑うといつもとても良い笑顔でした。遺影の笑顔がその証拠です。きっと、最後にその笑顔を持っていれば良いのです。そしてその道を引き継いだ孫としても、最先端を生きている息子の為にも、僕はこれからも正々堂々と己の可能性に挑戦させていただきます。

おばあちゃん、本当にありがとうございました。
あなたからたくさんのものいただきました。

心から感謝。

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